初心者向けかんたん物流コラム
タコグラフとは運行記録計のことです。主な機能は、トラックの速度変化や走行距離、時間などを記録していくこと。
では、どのような目的で使用するのでしょうか?
タコグラフや近年主流となりつつあるタコグラフの一つであるデジタコについて、詳しく解説していきます。
タコグラフとは、トラックやバス、タクシーなどで使用されている運行記録計のことです。略してタコとも呼ばれています。具体的には、トラックなどの車両に装着して走ると、速度変化や走行距離、時間などがグラフ化され記録されていくといったもの。
主に、タコグラフの記録からトラックの運行状況を把握できることから、ドライバーの運行管理や労務管理を適切に行う目的で使用されます。さらに事故が起きた際には、その事故原因を究明するための資料としてタコグラフによる記録が活用されることもあります。
ちなみに、タコグラフのタコは海のタコとはまったく関係ありません。ドイツ語からきているそうです。
タコグラフは、国が対象を設け装着を義務付けています。
対象となるのは、「車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用トラック」。
以前は、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の事業用トラックが対象でしたが、平成26年に「貨物自動車運送事業輸送安全規則(国土交通省令)」が改正・公布が交付され義務付け範囲が拡大しました。
タコグラフは大別すると2種類あります。アナログタコグラフ(アナタコ)とデジタルタコグラフ(デジタコ)です。それぞれの特徴や違いを見ていきましょう。
アナログタコグラフはその名のとおりアナログタイプのタコグラフのことを指します。略してアナタコとも呼ばれます。
具体的には、円形のチャート紙に運行状況が記録されていくというもので、円形のチャート紙を速度計の裏側などにセットし走行することで、速度や走行距離などに針が連動して折れ線グラフとなって記録されていきます。
アナログタコグラフはセットするだけで簡単に使用できたり安価であったりする一方で、折れ線グラフの線の変化だけで運行状況を分析しなければなりません。そのため、アナログタコグラフから運行状況を分析するには、専門的な知見や経験が必要となります。
前述しましたように、紙に運行状況が記録されていくタイプのタコグラフがアナログタコグラフ(アナタコ)です。これに対して、SDカードなどデジタル媒体に記録されていくタイプのタコグラフが、デジタルタコグラフ(デジタコ)です。
デジタルタコグラフ(デジタコ)は20年くらい前から実用化が進み、それまで一般的であったアナログタコグラフ(アナタコ)のシェアを奪うようにしてどんどんと普及していきました。いまではデジタル化や時代の流れもあり、主流はデジタルタコグラフ(デジタコ)となりつつあります。
デジタルタコグラフ(デジタコ)は、速度や走行距離などの情報がデジタルデータとして記録されていくことから、データを自動でまとめたり、グラフや表にして見やすくしたり、などといったことも容易に可能です。
さらにデジタルタコグラフ(デジタコ)は、デジタルデータとして記録されていくことから、アナログタコグラフ(アナタコ)よりも記録できる量にアドバンテージがあります。速度や走行距離、時間などの基本的な情報に加えて、エンジンの回転数や急加速・急減速、ドア開閉の回数、GPSによる位置情報などが記録できたり、さらには運転評価をしてくれるタイプのデジタルタコグラフ(デジタコ)も発売されています。そのため、事故防止や燃費向上などにもいかしていくことができます。
いまや主流となりつつあるのがデジタルタコグラフ(デジタコ)です。デジタルタコグラフ(デジタコ)のメリット・デメリットをご紹介していきます。
アナログタコグラフ(アナタコ)の場合は、各種情報が折れ線グラフとなって記録されていきますが、デジタルタコグラフ(デジタコ)の場合は、数値化されて記録されていきます。
情報を解析する際も、事前に専用ソフトを導入していれば、情報が記録されたSDカードをPCにセットするだけでかんたんに解析ができます。そのため、専門的な知見がなくても、誰でも運行状況の解析ができるようになります。
デジタルタコグラフ(デジタコ)であれば、運転日報の自動作成も可能です。デジタコに蓄積された運行データがもととなって、運転日報が自動で作成されます。
もしドライバーが手書きで運転日報を書いていたとすれば、ドライバーのタスクをまるまる一つ削減できるということになります。ドライバーの労働時間短縮をはじめ、精神的な余裕をもたらすことなどにもつながります。
デジタルタコグラフ(デジタコ)は、速度や走行距離などの基本的な情報に加えて、エンジンの回転数や急加速・急減速、ドア開閉の回数、アイドリング状態など沢山のデータを記録することができます。さらにはGPSによる位置情報が記録できるものもあります。
そのため、より精度の高い労務管理が行えたり、業務改善への取り組みにいかしたりすることができます。今後は2024年問題も迫っており長時間労働是正への取り組みが不可欠です。このような点でもデジタルタコグラフ(デジタコ)を導入する価値は大きいでしょう。
デジタルタコグラフ(デジタコ)の導入は、ドライバーの意識向上にもつながります。デジタルタコグラフ(デジタコ)に記録されたデータを解析すれば、どの程度、安全運転やエコドライブを意識したうえで運行されているのか、詳細にかつ公正に評価できるためです。
デジタルタコグラフ(デジタコ)のデータをもとに、ドライバーに安全運転指導を行ったり注意を促したりすることで、安全運転やエコドライブの徹底につなげられます。そして、実際に安全運転やエコドライブが徹底されるようになれば燃費向上にもつながり、コスト削減も期待できるようになります。
データの改ざんが困難であるというのもデジタルタコグラフ(デジタコ)のメリットといえるでしょう。デジタルタコグラフ(デジタコ)の場合は、データがSDカードなどの記録媒体に記録されていくためです。ドライバー側でデータの書き換えをすることができません。
デジタルタコグラフ(デジタコ)は、数値化された正確なデータがとれ、そして残せる、というのが特長です。
デジタルタコグラフ(デジタコ)とアナログタコグラフ(アナタコ)とを比べると、デジタルタコグラフ(デジタコ)のほうが初期費用はかかってしまいます。
相場感としては、アナログタコグラフ(アナタコ)とは3万円くらいから、なのに対してデジタルタコグラフ(デジタコ)は5万円から30万円と、価格帯が幅広く用意されており、機能の充実が図られている機種ほど価格も高くなる傾向にあります。
ただ、必要最低限の機能さえ備えていればいいという場合であれば、機能がシンプルなデジタルタコグラフ(デジタコ)を選ぶことで初期費用を抑えられます。さらには国の補助金や助成金の対象となる機種もありますので、そのような機種を選ぶことで費用を抑えることができます。
デジタルタコグラフ(デジタコ)はアナログタコグラフ(アナタコ)に比べて多くの情報をとることができます。これは前述しましたようにメリットでもあるのですが、一方ではドライバーにとっては監視されているような感覚としてストレスの要因になる可能性があります。
そのため、デジタルタコグラフ(デジタコ)のトラックへの装着をドライバーに理解してもらえるよう、デジタルタコグラフ(デジタコ)を装着する意図やデータをどのように利用するかなどを、事前に説明しておく必要があるでしょう。
タコグラフとは、トラックやバス、タクシーなどで使用されている運行記録計のことです。そして、タコグラフは、アナログタコグラフ(アナタコ)とデジタルタコグラフ(デジタコ)の2種類があります。
近年の主流はデジタルタコグラフ(デジタコ)であり、デジタルタコグラフ(デジタコ)には運行状況の解析がかんたんにできたり、運転日報作成の手間を省けたりするなど、様々なメリットがあります。
対してデメリットはアナログタコグラフ(アナタコ)よりも高価であること。ただ、機能がシンプルなデジタルタコグラフ(デジタコ)や国の補助金や助成金の対象となるデジタルタコグラフ(デジタコ)を選ぶことで費用を抑えることができます。
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