初心者向けかんたん物流コラム
トラックの配車とは、自社が請け負った仕事を車両に割り当てることを意味します。意味的にはシンプルにも思える配車。しかし実際は、知識や経験がモノを言う業務として知られており、多くの運送会社ではベテランの担当者が中心となって配車を行っています。トラックの配車は非常に複雑で難しい業務なのです。
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トラックの配車とは、自社が請け負った仕事を車両に割り当てることです。配車といえばタクシーのイメージが強いですが、物流業界でも車両の割り当てを意味する用語として使われています。
また、配車は難易度の高い業務であると共に、運送会社にとって経営を左右する非常に重要な業務です。そのため、運送会社ではベテランの配車係(配車を行う担当者を配車係や配車マンと呼びます)が中心となって配車を行う傾向にあります。
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「自社が請け負った仕事を車両に割り当てる」。一見、シンプルに思える配車業務ですが、実際は高度なスキルと多くの経験を要する非常に複雑で難しい業務です。
トラックの配車業務は荷主の要求と共に様々な制約条件を考慮する必要があるため、一筋縄ではいかないのです。例えば、「何トン車でいくか」「どのように荷物を積んで降ろすか」「何時までに運ぶか」などです。これ以外にも様々な制約条件があります。しかもトラックは一度の運行で複数の配送先を回ります(例外もあります)。
このようなことを考慮しながら、効率よく配送先を回れる最適な配送ルートを考えないといけないのです。そのうえで各ドライバーに指示を出します。「自社が請け負った仕事を車両に割り当てる」という業務は非常に複雑で難しい業務なのです。
配車業務は運送会社の根幹をなす業務でもあります。なぜかと言いますと、配車の良し悪しで運送会社の利益が大きく変わってきてしまうからです。
例えば、荷物が少ない状態で走るよりも他の荷物と積み合わせて積載率の高い状態で走るほうが利益率は高くなりますし、荷物が全く載っていない状態で走ってしまえば、そのぶん赤字になってしまいます。
トラックは、走ると共に燃料費や人件費などのコストがかかるため、荷物が全く載っていない状態で走ると利益を生まないだけでなく赤字になってしまうのです。荷物を届けた後、荷台がからっぽの状態でずっと走っていればそれだけ赤字になってしまうということです。
さらには、配送ルートの効率の良し悪しによっても利益率は変わってきます。配送ルートによってトラックの走行距離やドライバーの労働時間などが変わってくるためです。
運送会社の配車を行う配車係は、このように利益率や効率性を考慮しながら配車をしていきます。配車を行う担当者である配車係の采配次第で運送会社の利益は大きく変わってしまうと言っても過言ではないのです。
トラックの配車は複雑で難しい業務だと言えます。改めて、配車を難しくしている要因を3つ挙げたいと思います。
トラックの配車を難しくしている大きな要因となっているのが制約条件です。
「何トン車でいくか」「どのように荷物を積んで降ろすか」「何時までに届けるか」といったものをはじめ、バースと呼ばれる荷物の積み降ろしを行う場所での積み降ろしが予定にあれば、待ち時間を考慮する必要も生じてきます。
さらにルートを作成するには、道路上にはトラックが走れない道があるため、道路規制や道幅などを考慮しながらトラックが安全に走行できる道を選択していかなければなりません。もちろん、ドライバーの運転時間や休憩時間なども考慮します。このようにトラックの配車業務を行う際には様々な制約条件を考慮した上で配車を行っていかなくてはならないのです。
ドライバー一人ひとりのスキルが違うのも、配車を難しくする要因の一つと言えます。
やはり、同じ配送ルートを回るのでも、あまり土地勘がなく荷物の取り扱いにも慣れていない新人ドライバーが行くのと、経験豊富なベテランドライバーが行くのとでは、業務に要する時間が変わってきます。時間指定がある配送の場合、ドライバーのスキルを考慮しておかないと計画に狂いが生じてしまう恐れがあるのです。
さらには、体力がある人がいればそうでない人もいます。荷物の積み降ろしの際は手で積んで降ろす場合もあるため、手積み手降ろしが続くような現場は体力的にきつくなります。高齢のドライバーに長距離の仕事をつけるのもなかなか難しいでしょう。このように、配車をする際は、ドライバーのスキルや体力、年齢、性格などを考慮することも重要となります。
配車はドライバーの働き方に深く関わる業務です。配車計画次第でトラックの走行距離が変わり、ドライバーの労働時間が変わってくるためです。
もっと言えば走行距離や労働時間が変わるということは賃金も変わってくるということです。運送会社ではドライバーの賃金に対して、走れば走るほど稼げるといったような歩合給制を採用している会社が多くあります。
そのため、あるドライバーには多く仕事をつけて、あるドライバーには仕事をつけない、といったようなことがあるとドライバーから不満が出てきてしまいます。ドライバーから不平不満が出ないような配車にすることが重要になるのです。これも配車を難しくする一つの要因と言えるかもしれません。
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トラックの配車は複雑で難しい業務であるがゆえ、課題が生じやすい側面のある業務でもあります。実際、配車業務に課題を抱えている運送会社は少なくありません。
配車業務の課題として真っ先に挙がるのが業務の属人化です。業務が複雑で難しく個人の経験や知見による部分があるため、属人化しやすいのです。
例えば、属人化しやすい仕事でいうとデザイナーやプログラマーなどもそうですが、ベテランの方が制作したデザインやプログラミングを経験・知見がない人が真似ようと思っても無茶です。
配車業務も、経験や知識の積み重ねの上にその人のセンスが出るものであり、マニュアル化しにくい部分があります。そのため、ベテランの配車係に依存してしまいがちな、引き継ぎが難しい業務になってしまうのです。
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配車業務に多くの工数をとられてしまっている運送会社は少なくありません。
配車業務は、根本的にトラックの稼働台数や配送件数が多くなれば、それだけ時間がかかってしまいます。そのため、トラックの稼働台数や配送件数を多く抱えている運送会社は配車業務に要する時間も多くかかってしまうのです。
配送件数によっては、丸一日かかる場合もあります。
配車計画の評価が難しいのも、配車業務における課題の一つと言えるかもしれません。
配車計画を作成する業務が属人的な側面があることで、配車の効率性の良し悪しの判断基準も配車係の経験値が基になってしまいやすいのです。
配車係の経験に頼るなかでは、配車計画の良し悪しを定量的に判断できる誰が見ても公平な判断基準を確立するのは容易ではないでしょう。
トラックの配車は、「自社が請け負った仕事を車両に割り当てる」ことを指しますが、字面のようにシンプルな業務ではありません。
会社のこと、お客様のこと、ドライバーのこと、色々なことを考えながら配車業務を行っていかなくてはなりません。非常に難しく、そして運送会社の根幹をなす重要な業務です。
一方で属人化などの課題を抱えやすい業務でもあります。近年はDXや働き方改革の流れもあり、ITシステムを活用し標準化・効率化を図ろうとする運送会社も増えてきています。
配車係を支援するITシステムに自動配車システムというものがあります。その名の通り配車計画の作成業務を自動化させるシステムです。配車業務の工数削減や属人化解消に有効です。
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