【社長コラム】

ロジスティクスAI 戦略のポイント

配送ルート最適化とは?重要性・AI配車活用のメリット・事例


今、AIを活用した配送ルート最適化の取り組みが様々な企業で行われています。
昨年12月には小売り大手のイオンが、2024年問題対策として配送ルート最適化を含む4つの取り組みを行うと発表しました。最大で約10%の配送効率改善の効果を見込んでいるとしています。2024年問題を前にして、配送ルート最適化の重要性がますます高まっています。

【2024年問題について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです】
物流2024年問題とは?運送事業者/荷主/社会への影響や求められてくること


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配送ルート最適化とは?



配送ルート最適化とは、最も効率の良い配送先の回り方や適切な車両台数を、コンピューターを用いて求めることです。配送ルートの効率性の良し悪しで、走行距離や稼働時間、車両台数、ひいてはコストが大きく変わってくるため、いかにして配送ルートを最適化するかは、運送事業者や物流に関わる企業にとって重要なタスクとなります。

また、近年はSDGsが社会共通のテーマとして掲げられている中において、個社においても環境負荷低減への取り組みがより求められるようになりました。走行距離や車両台数を削減することで、トラックからのCO2排出量を削減できることから、環境負荷低減の観点からも配送ルート最適化は有効な取り組みとなります。

運送事業者や物流に関わる企業にとって、配送ルート最適化の取り組みを推進する意義はますます大きくなっていると言えるでしょう。


配送ルート最適化が難しい理由


配送ルートを最適化するには、現場の様々な制約条件を考慮しなければなりません。さらには、配送件数が増えれば増えるほど、比較対象となるパターンが多くなるため、最適解を算出するのが困難となります。配送ルート最適化は、一筋縄ではいかない側面があるのです。



様々な制約条件の存在

配送ルート最適化が難しい理由の一つに制約条件の存在があります。

例えば配送先によっては、「何時までに届けなければいけない」といったように時間指定がありますし、「何トン車で行かなといけない」といったように車両指定もあります。さらには、道路上には、トラックが走れない道が存在しています。交通規制や混雑状況などを考慮しながら、トラックが安全に走行できる道を選択していかなければなりません。

はたまた、荷物の積み降ろしの際には、荷待ち時間が生じることがあります。あらかじめ荷待ち時間も計算しておく必要もあります。もちろん、ドライバーの運転時間や休憩時間などを無視するわけにはいかず、労働上の規則も考慮しなければなりません。

このように、配送ルートを作成する際は、様々な制約条件を考慮しながら、効率の良い最適な配送ルートを作成しなければならないのです。

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比較対象となるパターンが膨大

次にやっかいなのが比較対象となるパターンが膨大になるという点です。

配送先が数件であれば話は別ですが、数十件となった場合には人間の計算ではとても及ばないような膨大なパターンから最適なルートを見つけ出さなければなりません。さらには前述した様々な制約条件を付け加えて考慮しなければなりません。

パターンが増えれば増えるほど、コンピューターでも最適解を見つけ出すのは難しいものとなります。


配送ルート最適化のメリット


配送ルートを最適化するということは、配送効率をより良くするということでもあります。そのため、コスト削減やCO2排出量削減、ドライバーの労働時間短縮などが効果として期待できます。

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配送効率化とは?配送効率化の重要性や具体策・事例を紹介

燃料費や人件費などのコスト削減

トラックで配送業務を行えば、当然ながら燃料費や人件費などのコストがかかります。つまり、配送業務に必要な車両台数が多くなればなるほど、全体の走行距離が長くなればなるほど、コストがかかることになります。

その点、配送ルート最適化により車両台数や走行距離を抑えることができれば、コストも抑えることができます。

CO2排出量の削減

配送ルート最適化により、走行距離の短縮や車両台数の削減などが実現されれば、それに伴いCO2排出量も削減されることになります。配送ルート最適化は、環境負荷低減への取り組みにもつながります。

ドライバーの労働時間短縮

既存の配送ルートに無駄が見つかった場合、その無駄を省き効率性がより高まればトラックの稼働時間が短くなり、ドライバーの労働時間短縮が見込めます。

さらには、ITシステムを使い数値データをもとにした定量的に判断できる配送計画となることで、ドライバーそれぞれの配送ルートに公平性を担保することができます。客観的かつ納得感のある配送計画となり、ドライバーからの不平不満を抑える効果も期待できます。



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配送ルート最適化の重要性が高まっている背景



近年は、配送ルート最適化の取り組みに注力する企業も多く見られるようになりました。複数の要因からその重要性が高まっています。

2024年問題/ドライバー不足

今、社会に大きな影響を与えそうな問題としてクローズアップされているのが2024年問題です。ドライバーに時間外労働の上限規制がかかることで、物流の供給量が減少していくことが想定されています。今後、何も対策を講じなければ2030年には34%もの荷物が運べなくなるともされています。ただでさえドライバーが足りない状況であるにも関わらず、2024年問題により、ドライバー不足がさらに深刻化していきそうな状況となっているのです。

配送ルート最適化により配送ルートからムリ・ムダをなくすことは、ドライバーの働き方や労働時間を適正にすることにつながり、ひいては、貴重な人的リソースをいかし守ることにもつながります。対策としては、配送ルート最適化だけではもちろん足りない問題とはなりますが、今後のさらなるドライバー不足を見越して配送ルート最適化を含む抜本的な物流改善を行う企業も見られるようになりました。

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SDGsへの対応

SDGsへの対応は、企業が果たすべきミッションとなっています。特に物流業界は、かねてからCO2排出量削減・脱炭素化という環境課題とは密接な関係にあり、対策が講じられてきました。

CO2排出量を抑制し環境負荷の少ない物流を構築していくことがますます重要になってきています。この点からも配送ルート最適化は大きな意味を持ちます。

配送ルート最適化に有効!AI自動配車システムのメリット


配送ルート最適化に有効なツールとなるのがAI自動配車システムです。配送ルート最適化を目的にした使用に適していることに加え、配車業務における属人化防止、工数削減、配車担当者の負担軽減などの効果も期待できます。

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配車業務の属人化を防げる

配車業務の属人化を防ぎ、業務を標準化できるのがAI自動配車システムの大きなメリットです。

一般的に、配送ルートを作成する業務は経験と知見がものを言う業務であるため、属人化しやすい傾向があります。属人化してしまうとそれが起因となり、担当者が休みを取りにくくなったり、引き継ぎが難しくなったりといったことも起こりやすくなります。

AI自動配車システムは、配車組みを考える部分をコンピューターが担うのが特徴です。経験や知見に頼らずとも効率の良い配送ルートを作成できるようになります。

また、AI自動配車を使用していくことで、配車担当者の頭の中にある知見がデータとしてインプットされていきます。そのため知見の共有が図れ、配車業務に関わるノウハウを会社の資産としてストックしていくことにもつながります。

配車業務の工数削減

自動配車システムを活用することで、配車業務の工数削減が期待できます。

人手で配送ルートを作成しようとすれば、多大な手間と時間がかかってしまうことに加えて、計画パターンを比較しようにも比較できる数に無理があります。

その点、AI自動配車システムであれば、条件を少しずつ変えながら様々なパターンを短時間の中で試すことが可能です。配車業務の工数削減が期待できると共に、限られた時間の中でも効率性を追求した配送ルートを作成することができます。

配車担当者の負担軽減

AI自動配車システムは、工数という目に見える実質的な業務時間削減からの負担軽減、さらには配車担当者の精神的な負担を軽減させることにもつながります。

配送ルート作成は、制約条件、ドライバーの業務量、コストなどを考慮しながら作成する必要があり、非常に重圧のかかる業務でもあります。

その点、自動配車システムであれば、数値データのもと客観的な観点から最適な配送ルートを導き出すことができます。配車担当者の経験と知見頼みにしないことで、過度な重圧から解放します。

AI自動配車システム導入企業の事例を紹介


弊社はAI自動配車システムを提供しております(主力製品:「LYNA 自動配車クラウド」)。AI自動配車を使った配送ルート最適化の事例として、お客様の事例を一部ご紹介いたします。

AI自動配車システム事例1.走行距離36,000km(年間)の削減効果

【対象】
スーパーマーケット向け青果店舗配送。

【目的】
・配送ルート最適化による配送効率向上を目指した実証実験でAI自動配車システムを使用。
・従来はドライバーが担当エリア内を自由に配送、AI自動配車システムを導入することでどの程度、効率性が向上するか検証。

【効果】
・走行距離短縮:年間36,000km。
・CO2排出量削減:年間30,960トン(1kmあたり860kg)。

【詳細は導入事例ページをご覧ください】
配車や配送業務に関するノウハウのバックアップ化に成功|業務標準化への大きな一歩に

AI自動配車システム事例2.車両台数2台の削減

【対象】
・医薬品・医療機器の配送業務。

【課題】
・配送計画の適切な検証方法が確立していなかった。
・人が配車をし人が検証をしていたことから、効率の良い最適な配車計画になっているのか判断しにくい状態だった。

【目的】
・配送計画の適切な検証方法の確立。
・配送計画の最適化。

【効果】
・車両台数:2台削減。

【詳細は導入事例ページをご覧ください】
客観的データに基づいた配車シミュレーションで最適配車へ ~ 車両台数2台削減に寄与~

弊社(株式会社ライナロジクス)ホームページでは、多数の導入事例を掲載しております

まとめ


配送ルート最適化とは、最も効率の良い配送先の回り方や適切な車両台数を、コンピューターを用いて求めること。配送ルート最適化により、コスト削減、CO2排出量削減、ドライバーの労働時間短縮などの効果が期待できます。

配送ルート最適化は、2024年問題やSDGsへの対応などから、ますます重要度が高くなっており、ここにきて配送ルート最適化の取り組みを行う企業が数多く見られるようになりました。

また配送ルート最適化に有効なツールとしてはAI自動配車があり、AI自動配車を使用するメリットとしては、配車業務における属人化防止、工数削減、配車担当者の負担軽減などが挙げられます。


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