初心者向けかんたん物流コラム
「決められた場所に決まった時間で荷物が届く」
一見、当たり前のことのように思いますが、この当たり前の実行過程には、綿密に練られた計画があります。それが配送計画です。
配送計画は、配送業務に必須であり、かつ配送業務を請け負う運送事業者の利益にも直結するとても重要な計画です。
配送計画とは何なのか、配送計画の最適化とは何なのか、について分かりやすく解説していきます。
配送計画とは、配送に必要なトラック台数や、配送先を回る順序、ルートなどを示した計画のことです。配送計画は配送業務に必須であり、同時に配送業務を請け負う運送事業者などの利益にも直結する重要な計画となります。
配送計画は、配送先が少なければ短時間で効率的な配送計画を作れますが、配送先の数が増えれば増えるほど難解となり、効率的な配送計画を作るにはそれだけ手間と時間がかかります。
配送計画の作成業務は、道路事情に詳しく土地勘に長けている配車係(配車マン)と呼ばれる担当者が行うのが一般的です。配車係が、距離や時間を考慮しながら紙の地図を見て配送計画を作成したり、地図ソフトを使用したり、はたまた自動配車システムを使用したりと、様々なプロセスが見られます。
配送計画は、配送先の数が増えれば増えるほど難解になるということを前述しましたが、それに加えて配送現場には様々な制約・条件があるのも計画作成を難解にする大きな要因です。
例えば、配送先によっては時間指定がありますし、配送先で荷物を降ろす際は、パレット降ろしの場合があれば手降ろしの場合もあります。トラックに目を向ければ、サイズによって積み込める荷物の量が変わってくることから積載量を考慮しなければなりません。
道路上においては、トラックが通れない道があります。そのため、道路規制を考慮しながら、かつトラックが安全に通行できる道を選ばなければなりません。さらには当然、トラックを運転するドライバーの休憩時間や労働時間も考慮しなければなりません。
このようにざっと挙げただけでも頭が混乱しそうなほどですが、制約・条件はまだまだ他にもあります。
人手で配送計画を作成するにはどうしても長年の経験やノウハウが必要なのです。配送現場の様々な制約・条件を考慮しながら、かつ収益性や効率性に優れた配送計画を作成しなければなりません。
配送計画の最適化とは、先に挙げたような制約・条件を考慮しながら、最も効率の良い配送先の回り方や適切なトラック台数を、コンピューターを用いて求めることです。
例えば、下の図をご覧ください。図Aは4台のトラックが必要なのに対して、図Bは34台のトラックの手配で済みます。図Bのほうが効率的ですし配送コストもかかりません。このように、配送先が同じでも複数のパターンが存在します。その中から最適解を算出するのです。
計画の違いで、トラックの台数や配送時間、配送コストなどは大きく変わります。そのため、配送計画を最適化することは、運送業務を請け負う事業者の利益率を向上させることに加え、ドライバーの労働時間や働き方を適正にすることにも深く関わってきます。
さらに近年は、持続可能な社会の実現に向けて、個社においても環境負荷低減の取り組みや環境への配慮が、より求められるようになってきました。走行距離短縮やトラック台数の削減で、二酸化炭素の排出量を抑制させようと配送計画の最適化に努める企業も増えてきています。
また、運送業界の喫緊の課題である人手不足やドライバーの高齢化の観点からも、配送計画の最適化は大きな意味を持ちます。配送計画を最適化することが、限られたリソースを最大限いかすことにもつながるからです。
ただ、配送計画を最適化することは容易ではありません。配送件数や考慮する制約・条件が多くなり、計画が複雑化すれば、実はコンピューターでも短時間で解くのは難しいのです。そのため、少ない誤差の範疇で解を求める近似解法という方法が多く用いられており、この方法であれば実用的かつ十分な解を短時間で導き出すことが可能です。
自動配車システムは、最適な配送計画を自動で作成できるシステムです。近年は、配送計画を最適化しようとする物流・運送業界のニーズはじめ、配送計画を作成する配車係の過重労働解消に有効であることなどから、導入する企業が増えています。
自動配車システムは、人間では到底及ばないような膨大なパターンから短時間で解を導き出せるという大きな特長がありますが、それだけではないのです。
配送計画の作成に自動配車システムがおすすめな理由を4つピックアップしました。
自動配車システムは、人間では到底及ばないような膨大なパターンから短時間で解を導き出せるのが大きな特長です。これにより、配送計画の作成業務の効率化や配車係の業務時間の短縮に大きく寄与します。
配車係は、配送案件を探したり、荷主やドライバーからの電話を受けたり、さらには配車計画や請求書を作成したりと、マルチタスクで長時間労働となりがちです。そのため、配送計画の作成業務が自動化・効率化されることは大きな意味を持ちます。
弊社の自動配車システム「LYNA(ライナ) 自動配車クラウド」をご導入いただきました株式会社ロジクエスト様は、導入以前に比べ配送計画の作成業務にかける時間を90%削減することに成功しています。
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配送計画の作成は、長年の経験やノウハウがものを言う領域の業務であり、非常に属人化しやすい業務です。配車係の経験やノウハウが配車係自身に蓄積されればされるほど、社内では依存度が高くなってしまい配送計画の作成業務が属人化してしまいます。
その点、自動配車システムで配送計画の作成を行えば、配送時間や距離、積載率などの客観的データに基づいて作成されるため、配送計画の出来が配車係の経験やノウハウに左右されることがなくなります。自動配車システムは、配送計画の作成業務の標準化、すなわち属人化防止に有効なのです。
さらには、配車係のノウハウを自動配車システムの設定に落とし込めば、今まで個人に蓄積してきたノウハウを、社員全体に共有させることができ、ひいては企業の資産とすることができます。
自動配車システムの活用は配送コストを削減させることにもつながります。
配送コストを削減しようとすれば、トラック台数や燃料費、高速料金など様々な要素を勘案しながらシミュレーションを行う必要がありますが手作業では膨大な時間と手間がかかってしまうのがネックです。
しかし、自動配車システムであればこのシミュレーションが短時間でできます。配送計画からムリ・ムダをなくし、コストを重視した配送計画に再編することが可能です。
自動配車システムの多くの場合、画面を通してトラックの稼働状況や配送ルートを一目で確認できます。配送計画が見える化され、配送業務の全体像を的確に把握できるようになるのです。
そして、配送計画の見える化で明らかになるのが配送業務上のムリ・ムダです。ムリ・ムダは、生産性低下を招く根本的な要因になることに加え、ドライバーの不満の種にもなり得る重大な問題と言えますが、自動配車システムはムリ・ムダが具体的にどの部分にあるのかをはっきりさせることにも有効なのです。
ムリ・ムダが分かれば事業の成長余地も把握できます。見える化で得られるものは大きいでしょう。
配送計画システムにも使われる「メタヒューリスティクス」
最強の配送計画 vs 最強の運行管理
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「宵積み」の配車計画が難しい理由
配車合理化のための最優先事項とは
配車システムは計画系/実行系それぞれの機能に特化したものを
弊社は自動配車システムを開発・提供するメーカーとして20年の実績を持ちます。
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