初心者向けかんたん物流コラム
配送効率化とは、車両を使って行う配送業務の効率性を向上させることです。ドライバー不足や物流費の高騰などの影響もあり、その重要性は年々高まっています。当記事では、配送効率化の概念・重要性、さらには配送効率化のための具体策や取り組み事例などについてご紹介していきます。
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配送効率化とは、車両を使って行う配送業務の効率性を向上させることです。
簡単に言いますとこのようになります。
ただ、より具体的に解釈しようとすると、配送効率化とは、
「実働率」「実車率」「積載率」の3つの指標を向上させることだと解釈できます。
(「実働率」とは運行可能な日数に対しての稼働日数の割合のこと、「実車率」とは全走行距離に対しての荷物を積んで走った距離の割合のこと、「積載率」とは最大積載量に対しての積載量の割合のことです。)
なぜなら、配送効率は主に「実働率」「実車率」「積載率」という3つの指標で示すことができるからです。
「実働率」「実車率」「積載率」が高ければ配送効率が良い、反対に低ければ配送効率が悪いと捉えることができ、配送効率化は「実働率」「実車率」「積載率」を既存の状態よりも向上させることだと解釈できます。
配送効率化の重要性は年々高まっており、それとともに配送効率化の取り組みに注力する企業も多くみられるようになりました。その要因について4つ挙げてご説明していきたいと思います。
近年の物流業界の主要課題とされているのがドライバー不足です。様々な課題がある物流業界のなかでも特に大きな課題として扱われており、このまま改善されなければ物流の停滞を招いてしまうともされています。
このような中でキーともなるのが配送効率化です。配送効率化は、貴重な人的資源(ドライバー)を抑制する効果が期待できるからです。効率性に優れた配送方法を確立できれば、同じ配送業務でもドライバーの数(車両台数)を抑えることができます。今後は2024年問題を控え、さらにドライバー不足が深刻化することが想定されています。配送効率化の重要性はますます増してくるでしょう。
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配送効率化は、輸配送費の削減にもつながります。配送効率が向上し車両台数を削減できれば、その分輸配送費も削減できるからです。そのため、物流費が高騰している昨今においては大きな意味を持ちます。
公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)発表の「2021年度物流コスト調査報告書」によりますと、荷主企業の売上高に対しての物流コスト比率は、5.70%(全業種平均)でした。これは、過去20年で最高の値でした。今後ドライバー不足が深刻化し物流の供給量が減っていれば、さらに物流費が上昇していく可能性もあります。
荷主企業においては、物流費に対するコスト意識を強く持たざるを得ない状況になっており、効率性に優れた物流を構築することの重要性は増してきています。
出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)「2021年度物流コスト調査報告書」
今や環境負荷低減への取り組みは企業にとって欠かせないミッションだと言えます。その点、配送効率化はトラックから排出されるCO2の削減にもつながる取り組みです。配送効率が向上し車両台数や走行距離を削減できれば、それに伴いCO2も削減させることができます。
物流と環境問題はかねてから密接な関係があります。以前からトラック輸送は環境負荷が大きいとして、その対策を常に求められてきました。配送効率化もその一つとして考えられています。
多頻度小口配送は、近年の消費者ニーズの多様化による品揃えの増加や店舗の省スペース化に対応するかたちで普及してきた配送方式ですが、配送効率という点ではマイナスの要因となっています。たくさんのトラックが必要になり、1台あたりの積載率が低くなってしまうためです。
そのため、対策に取り組む企業も増えてきています。コンビニエンスストアでは、企業同士で共同配送に取り組んだりと、配送効率化への取り組みが進められています。
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配送効率化の障壁となっているものがあります。それが制約条件や荷待ち時間です。
配送業務には様々な制約条件がついて回ります。時間指定やトラックのサイズの指定、荷物の積み方でもバラ積みの場合があればパレット積みの場合もあります。そのため、配送効率化をしようにも一筋縄ではいかないのです。
例えば、まとめることで積載率が高い状態で運べる荷物だったとしても、時間指定があれば話は変わってきます。いくつかのトラックに分けて運ばなければ確実に時間指定通りに配送を完了させることが難しいということもあるでしょう。そうした場合、積載率は低くなります。積載率ばかりを優先にはできないということです。
効率性を追求していくとなれば、納品回数やリードタイム、荷物の受け渡し方法など、様々な調整が必要になります。
荷待ち時間(荷物の積み降ろしをする場所での順番待ちの時間)も配送効率化を難しくする要因の一つとなります。
荷待ち時間は、荷待ち時間自体が数時間に及ぶことがあることに加え、時間が読めない側面もあるからです。荷物が揃っていない、さらには荷役作業にかかる時間などとの兼ね合いがあるため、時間が読みにくいのです。
荷待ち時間がある際には、かなり余裕を持ったトラックの運行が必要になり、そこに非効率が生じてしまうのです。
配送効率化実現のための具体策としては、共同配送やトラック予約受付システムの導入、配送計画の見直しなどが考えられます。
共同配送とは、異なる企業の荷物を、同じ物流センターに集約し、同じトラックで配送する方式のことです。共同配送を行うことで、帰り便まで含めた全走行区間を高積載率の状態で走らせることが可能になり、配送効率化の効果が見込めます。
共同配送は、近年では配送効率化の代表的な取り組み例ともいえ、コンビニエンスストアや食品メーカーなど、様々な企業で取り組みが行われています。
また、政府においても、物流改善の有効策の一つとして共同配送をすすめており、社会全体で共同配送を実現させていこうという動きが活性化しています。
【共同配送について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです】
共同配送とは?メリット・デメリット・向く荷物・向かない荷物
荷待ち時間の削減に有効なツールとなるのがトラック予約受付システムです。
トラック予約受付システムを活用することで、トラックドライバーはトラックバース(荷物の積み降ろし場所)の空き状況に応じて事前に時間枠の予約ができるようになります。これにより、荷待ち時間が削減できたり時間が読めるようになったりといった効果が期待できます。
荷待ち時間が読めるようになれば、効率性の高い配送計画が組みやすくなり、配送効率化につながっていきます。
配送計画を見直すことも、配送効率化の取り組みの一つと言えます。高速道路の活用や活用する物流拠点の再考なども含めて配送計画を見直すことで、配送の効率性を高められる可能性があります。
その際、自動配車システムなどのITツールを活用することで、走行距離や稼働時間、積載率などに裏打ちされた効率の良い配送計画を探しあてることがスピーディーに可能となります。
前述しましたように配送効率化の取り組みの際には、トラック予約受付システムや自動配車システムなどのITシステムが非常に有用なツールとなり得ます。人がやりきれない部分をシステムがカバーしてくれたり、データに基づいた改善ができるようになったりすることで、配送効率化の取り組みが進めやすくなります。
弊社は自動配車システムを提供しております(主力製品:LYNA 自動配車クラウド)。配送効率化の取り組みにもご活用いただけるシステムです。配送効率化の事例として、お客様の事例を一部ご紹介いたします。
【課題】
人の手で組んだ配送計画が効率の良いものになっているかどうかは判断が難しい。
配送計画の適切な検証方法が確立されていなかった。
【取り組み】
①「LYNA 自動配車クラウド」を使用し、多数の配送計画を比較検証。
➁検証の結果、車両台数を2台削減できることが判明。
➂検証結果については実走の上、精査。
④検証したルート通りに走っても時間の誤差が少ないことを確認。
➄現場で実運用。
【効果】
車両台数:2台削減。
【詳細は導入事例ページをご覧ください】
客観的データに基づいた配車シミュレーションで最適配車へ ~ 車両台数2台削減に寄与~
【課題】
物流センターの取扱高(販売量)とそれに基づいた運賃収入が漸減傾向にあり、配送コストを抑える必要に迫られていた。
【取り組み】
①固定ルート制を日々配車に切り替え、車両台数や配送コストを削減させることを検討。
➁コストのスリム化と共に日々の配車業務が標準的な業務となるよう「LYNA 自動配車クラウド」を導入。
➂全自動で完全な配車計画を作ることに重きを置かず、最低限の操作で配車計画を作成できることを最優先に、データの扱い方や作業手順を設計。不足部分は人が補うようにした。
④「LYNA 自動配車クラウド」を使用し、日々配車を実施。
➄ドライバーは以前から固定ルートをローテーションで担当。そのためドライバーの受け入れもスムーズだった。配送先・配送順が日々変わることへの抵抗感も少なかった。
【効果】
車両台数:1日あたり1台削減。
【詳細は導入事例ページをご覧ください】
「LYNA 自動配車クラウド」でコスト削減に成功!車両が5台から4台に
配送効率化とは、車両を使って行う配送業務の効率性を向上させること。具体的には、「実働率」「実車率」「積載率」を既存の状態よりも向上させることです。配送効率化が実現されれば、人的資源(ドライバー)を抑制する効果やコスト削減、CO2削減などの効果も期待できます。
また、配送効率化の取り組みの際には、ITシステムが非常に有用なツールとなり得ます。配送効率化に有効なツールとしては、トラック予約受付システムや自動配車システムなどがあります。
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