ロジスティクスAI 戦略のポイント
From:朴成浩
私事で恐縮ですが、
風邪をひいてしまいました。
特別、体が弱いということはないのですが
昔からほぼ必ず冬は一度は風邪をひきます。
関係者の皆様にご迷惑をかけないよう、
近年は体を鍛えるようにしていたので
今年は大丈夫か、と思っていたのですが
生まれついての体質はそう簡単には変わらないものですね。
幸い、当社のメンバーは皆、優秀で
私が2~3日休んだところで大した影響はありません。
いつも支えてくれるみんなには本当に感謝です。
こういうとき、いつも思うのは、
そもそも、特定の誰かが1日も休めないような状況は
決して作ってはいけないな、ということです。
コンピューターはアテにならないが、
人間も同じくらいアテにならない
シニカルに言えば、そういうことなんですよね。
仕事に必要な能力はいろいろとありますが、
「休まず元気に働く」という社会人において
最も基本的で、最も重要な能力においては
特に、コンピューターにはかないません。
どんな優秀な人であっても、
365日休まずに仕事をする、なんて無理ですからね。
このように、システム化の重要な目的の一つには
「アテにならない人間」に依存しないで
仕事を回せるようにする、ということがあるのですが、
ここに一点、大きな誤解があります。
システム化しよう、というと、よく、
「では人間が全くいらないシステムを作ろう!」
と、いきなり壮大なゴールを目指し、
コンピューターに過大な期待をしたあげく、
「あれもできない」「これもできない」と
結局、挫折した、という話を聞きます。
「やっぱりコンピューターはダメだよ」とか
「人間には勝てないよ」とか、
なぜか、得意げに失敗が語られたりもするのですが、
これは大変申し訳ないのですが、
コンピューターが悪いのではなく
「使い方」の問題です。
いや、使い方というより、そもそも
システム化とは何を目指すべきものなのか?
という理解に大きな間違いがあります。
コンピューターが人間の代わりに仕事してくれる
というのと、
コンピューターが人間を不要にする
を取り違えてはいけません。
人間の代わりになる、ということには
実はテンポラリーとパーマネントの
2つの種類があるのです。
業務をシステム化しようとする場合、
そもそもの問題とは何であったでしょうか?
それは、特定の担当者に
業務が依存してしまう、ということでしたね。
そのため、
担当者が仕事を休めない。
他の人が代われないので、担当者が仕事を休むと
大幅に業務のクオリティが落ちてしまう。
仕事が担当者の能力に限定されてしまう。
さらなる効率化や最適化が目指せない。
今、やってることが本当に良いのか分からない。
というような問題が生じるわけです。
逆に言えば、こうした問題点が解消、
あるいは完全に解決しないまでも
大幅に改善できるのであれば、
十分に目的は達成できるわけです。
現在の業務担当者と完全に同じことができなければ
使い物にならない、と考える必要はありません。
たとえば、配車システムで言えば、
ベテラン配車マンは楽になる。
配車結果の善し悪しについて一つの基準ができる。
安定して良い配車組みができるようになる。
ベテランも休みが取れるようになる。
もし2~3日、お休みすることがあっても
周囲の人がシステムを使って
業務に支障が出ない程度には仕事をこなせる。
まずはこれくらいが達成できるだけでも十分です。
(というか、十分過ぎるくらいです)
もし永遠にその人がいなくなってしまっても
同じことができるようにしよう、と気負って考えると
前に進めなくなってしまいます。
その人が2~3日いなくても問題ない、
まずはそれくらいで考えて一歩でも前に進む。
完璧に解決できないからといって
決断を放棄して、弱点をそのまま放置するより、
100点満点ではないかもしれないが、
少しでも問題点を改善していく、これが重要です。
私たちにとって、何よりも怖いのは、
思考停止
意思決定の放棄
改善の先延ばし
に対して言い訳を作り、納得してしまうことです。
自戒を込めて。
++朴成浩