ロジスティクスAI 戦略のポイント
From:朴成浩
博多は暑かったです!
と思って帰ってきたら東京も暑いですね(笑)
そんなわけで、先週は私たちのユーザー企業であるヤマエ久野様の方針発表会にご招待いただき博多に行ってきました。
当日は西日本を代表するそうそうたるロジスティクス企業の方々がお集まりになられていて、私たちのユーザー企業の方々も多くいらしたので交流を温める素晴らしい機会となりました。
ヤマエ久野様、ユーザー企業の皆様、当日は本当にどうもありがとうございました。
それにしても、西日本の方々は元気です。東日本を攻略するぞ!という戦略目標がはっきりしているので、ブレがないですね。
シンプルで価値のある戦略目標は、たとえそれが遠い先のものであっても非常に重要です。
目標が定まれば、そこに至る道筋を考えることができます。道筋を引くと、現在地から目的地に到達するまでに足りないもの、障害になるものが明らかになります。つまり、次々と戦術目標が定まるわけです。戦術目標が定まると、分かりやすいマイルストーンが生まれて、達成度が可視化されます。するとメンバー全員にやるべきことと達成感が共有されるわけです。
こういう、根拠のある一体感を持ったチームが戦いに強いのは言うまでもないですよね。
さて、こういう組織としての強さもあるのですが、西日本のユーザー企業や勢いのある物流会社を見ていて、もう一つ、「これはすごい!」と感じることがあります。こういう伸びているロジスティクス企業に共通する特徴、何だと思われますか?
それは、非常に「謙虚」だ、ということです。
といっても、人間性についての話ではありません。(もちろん、人間的にも素晴らしい方々ばかりではありますが!)
「謙虚」というのは、自分たちのこれまでのやり方、ノウハウについて、自信を持ってはいるが決して過信はしていない、ということですね。「地元ではこうやってる、だから大阪でも東京でもこうやれば良いんだ」という決めつけがなく、非常に柔軟な考え方をされているということを、話の端々に感じます。
たとえば、私たちの自動配車システムを、こういうAIブームの巻き起こるよりずっと以前の早い段階から導入し、積極的に活用されているのが一例です。
冒頭のヤマエ久野様が、ロジスティクスに非常に高いレベルを求める大手コンビニエンスストア企業の方々からも長年にわたり厚く信頼されているように、すでにこうした企業は素晴らしい人材を豊富に擁しています。私たちのシステムを使わなくても、効率の点でもオペレーションの点でも文句の付けようのない素晴らしい配送計画を立案できる方はたくさんいらっしゃるわけです。(私たちが言うのもおかしな話ですが)
にもかかわらず、自分たちの競争力を強化する、いわば新しい「武器」に対しては非常に貪欲です。
そんな程度のことならオレたちだけで十分できる
最適化システムなんていらない
と考えるのではなく、
これがあれば、もっとオレたちは強くなれる
オレたちのノウハウに最適化が加われば鬼に金棒だ
という考え方をされるのですね。そして、少しでもその可能性を感じるものは、単に勉強に留まらず積極的に試してみて、活用方法を見つけていくわけです。
たとえば、仮に自分たちの高い基準から言えば70~80点の配送ルートしか組めなかったとしても、人間だと試算に1時間はかかるものが数分程度で完了するならば、今までよりもより多くのシナリオを検証したり提案したりできるようになる。
あるいは、新しく進出する地域について、コンピューターで計画を組ませることで自分たちの今までのノウハウと比較する基準ができるし、気付かなかった視点が得られるかもしれない。
さらには、新人の方々が業務ノウハウを獲得していくための支援や教育としても使えるだろう。
などなど、「こんな活用方法もあるのか!?」と、私たちもユーザー企業の方々からは、いつもたくさんのことを学ばせて頂いています。
勝者の歴史は武器の歴史でもあります。新しい武器の「強み」をいかに早く理解し、使いこなしていくか。歴史の転換点ではこれが決定的に重要になります。「うちで使えるの?」ではなく「うちが一番に使いこなす」。そんな心意気のある方々!一緒にロジスティクスの新しい可能性に挑戦していきましょう!
++朴成浩