From:広報担当
新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動に大きな変化が起きています。都道府県が発する施設や店舗への休業要請や国民への外出自粛要請により、経済活動が停滞傾向にあるため新たなサービスや対策を講じることが今や急務です。
そんな中政府は、新型コロナウイルスの感染拡大で大きなあおりを受けるタクシー事業者と宅配需要増大が見込まれる飲食店を鑑みて、タクシーでの貨物運送を特例的に認めることを4月21日に発表しました。
この特例により、タクシー事業者は有償での宅配が可能となり、飲食店事業者は宅配の委託先としてタクシーを選択することができるようになります。まさに双方にとってWINWINの特例です。
タクシー事業者様ならびに宅配サービスを行う飲食店事業者様におかれましては、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
新型コロナウイルスの影響 宅配需要の増加に対応した特例
国土交通省は2020年4月21日、新型コロナウイルス感染拡大の影響による宅配需要の増大を見込んで、タクシーでの貨物運送を特例的に2020年5月13日まで認めると発表しました。ただし、緊急事態宣言の延長を受けタクシーでの貨物運送の特例も期限を延長。改めて2020年9月30日まで延長するということが5月8日に国土交通省より発表されました。
背景にあるのは、営業自粛に追い込まれた飲食店が弁当などの宅配サービスに切り替えたことによる宅配需要増と、外出自粛要請などにともなうタクシーの利用客減少です。新型コロナウイルスの影響を大きく受けている双方をサポートする施策として有効利用されることが期待されます。
なお今回の特例において、タクシーが貨物を配送する際は旅客を乗せることはできません。タクシーの車両前面には「貨物」と表示することが必要となります。さらには、貨物を載せる際にはトランク内に積載することを想定しており、後部座席の使用などは想定されていません。ワンボックスタイプのタクシーの場合は、後部座席背後の荷物スペースに箱などを設置し、その中に貨物を積載することが想定されています。
現行は過疎地域のみという但し書きがあった
現行において、タクシーの貨物運送は過疎地域のみで認められていました。ただし、今回の特例では、過疎地域といった地域限定を無くし全国に適用。また、通常は地方運輸局に申請してから認可されるまでに数カ月の時間がかかっていましたが、今回は審査期間も短縮。2日程度で許可が出るとしています。
対象となる事業者は?申請はどこに?料金設定は?
今回の特例の対象となるのは、従業員の雇用維持、ドライバーへの適切な健康管理を行い事業継続に取り組むタクシー事業者です。申請をするタクシー事業者は、申請書ならびに、旅客減少を証明する書面などを各地の運輸局に提出します。
運輸局へは荷主がタクシー事業者に運送を依頼することとなった理由書も提出が必要ですが、荷主に代わって運送の委託を受けるタクシー事業者が理由書を作成、提出することも許可されています。
ただし、運送する貨物がタクシー運送よりトラック運送のほうが適当とみなされる場合は、許可されません。
また、貨物運送にかかわる料金について行政は、タクシー事業者と飲食店などの事業者双方の合意のもとで行うよう促しており、行政が介入はしないとしています。
タクシーではトランク内での運送となるため、トラックよりもリーズナブルな料金でというのは難しいかもしれませんが、タクシーは小回りが利きます。密集した住宅街の運送や、高単価のデリバリーサービスを行う飲食店事業者などにはメリットがあるでしょう。
タクシーでのデリバリーサービスは各地で展開!
今回の特例が発表されてからというものの、タクシーでの宅配サービスは各地で展開されています。
充実した高付加価値サービスで知られる東京エムケイ株式会社は、「コロナウイルスに負けない!共に頑張ろう~全力で飲食店応援キャンペーン」と銘打ちキャンペーンを実施。同社HPでPRし宅配サービスを行う飲食店事業者を募っています。
(
東京エムケイ株式会社公式サイト:キャンペーンは6月末まで ※2020年5月13日時点)
また、千葉市では千葉市観光協会が「ちばタクデリ」というキャンペーンを実施。HPのキャンペーンページにタクシー事業者とマッチングした飲食店事業者が一覧で掲載されており、サービス利用者は電話で飲食店に注文することができます。
(
千葉市観光協会公式サイト:5月末まで ※2020年5月13日時点)
今回の特例は、タクシー事業者や飲食店事業者のみならずサービス利用者からも好評です。特例の期限が9月30日まで延長されたこともあり、ますますのサービスの広がりが期待されます。