初心者向けかんたん物流コラム
軽貨物YouTuberのごーしんさんをゲストにお迎えしました。
軽貨物ドライバーへの2024年問題の影響をテーマにお話を伺いました。
【サマリー】
★2024年問題の影響は、軽貨物ドライバーにも少しずつ出てきている。
★他業種から軽貨物ドライバーを目指す人が増えている。軽貨物のジャンル自体が脚光を浴びている。
★2024年4月以降の収入減の打開策としては、社員ドライバーであれば副業が考えられる。
★2024年問題は軽貨物ドライバーにとってチャンス。運びきれない荷物をフリーランスのドライバーに発注していく流れが今後加速していく可能性がある。
★仕事量の増加が期待できる中、ニーズのある先に営業をかけられるかどうかがポイント。
※当記事は、株式会社ライナロジクスが運営しているYouTubeチャンネル「物流ナビ」で公開中の動画「【物流2024年問題】軽貨物ドライバーはどうなる?フリーランスへの影響を専門家に聞いてみた」(2023/9/2公開)の内容を基にしています。
平野:皆さんこんにちは、物流ナビの平野です。
今回は軽貨物YouTuberとして有名なごーしんさんをお迎えして、2024年問題が軽貨物ドライバーにどのように影響するのか?というのをお話しいただきたいなと思っております。ごーしんさん、よろしくお願いします。
ごーしん:よろしくお願いします。
平野:2024年問題については当チャンネルでも過去2回ほど解説の動画を出しています。トラックドライバーの時間外労働の上限が960時間になりますが、軽貨物ドライバーの場合は、業務委託の方や個人事業主の方が凄く多いと思います。軽貨物ドライバーへの影響をどのようにお考えでしょうか?
ごーしん:2023年の4月から既に問題が発生しているという世の中の風潮というか、月60時間超えの時間外割増賃金率の引き上げですね。これが中小企業にも適用されたのが2023年4月1日ですが、僕の周りのドライバーはそこまで影響がまだ出ていない認識です。ただ僕のYouTubeチャンネルのコメント欄に、目的地までの距離を短くした分、そこからの輸送を軽貨物に外注する仕事を実際に「やっています」という方がコメントされていましたので、少しずつ影響が出てきているイメージですね。
平野:中小企業でも2023年の4月から割増賃金率の引き上げがあったので、それに対応してフリーランスの方に発注していく、個人事業主の方に発注してく量が増えているイメージですか?
ごーしん:結構引き上げ率が大きいですよね。25%から50%ですよね。ですので外注に発注した方が安いのであればやはりそうするでしょうし、今後2024年にかけてこの流れはかなり加速していくと思っています。
平野:現時点ではそんなに影響はないけれども今後は影響していくということだと思いますが、一般的に考えると「少しチャンスかな」という風にも考えられます。ごーしんさんが運営する軽貨物の学校の生徒さん等を見ていて、軽貨物で稼いでいこうみたいな機運が高まっていると感じることはありますか?
ごーしん:トラック業界だけに限らず、様々な業界で45歳以上のリストラだったりとか、脱サラされる方が非常に増えています。僕の学校に来る方も運送業界から軽貨物に来る人よりも他業種から来る人の方が多いんですよ。元々鳶の法人の経営者さんだったとか、飲食をやっていたとか。そういった方が今後増えてくると思いますので軽貨物というジャンル自体が今凄く脚光を浴びていると思っています。
平野:軽貨物は凄く大変なイメージもあります。例えば夏、今日も33°cあって「暑い中走るの大変だな」と思ってしまいますが、皆さん「やってみたい」と。
ごーしん:僕視点ですが、僕のYouTubeの中では、休憩の時にアイスクリームを食べたり好きな時に歌ったりしながら配送をしているイメージを出しているから、「こんな楽に稼げるんだ」と思われているかもしれないです。当然僕だけの影響ではないですが、世の中がそういう風な流れになっていると思いますから、「大変そうだな」と思っていない人もたくさんいると思います。
平野:以前このチャンネルでも触れたんですが、3PL事業者さんの中ではトラックが見つからないところも出てきているようです。現場に入られてヤマトさんなど、様々な荷物を扱っておられると思いますが、そういった影響に関してはいかがでしょうか?
ごーしん:BtoCの荷物に関してはそこまでそういった話は聞かないですが、BtoBのトラック、特に長距離系などが顕著ではないでしょうか。
平野:長距離輸送については、トラックが見つからなくなっているかもしれないということですか?
ごーしん:今2023年4月1日以降ですから、割増賃金率が引き上げられています。そこで長距離が「もう運べないよ」ということで、そのような仕事から撤退している会社もあるのではないでしょうか。
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平野:正社員として働いてるドライバーさんについては、2024年4月以降に給料が下がってしまう可能性があります。その場合、どのように打開していけば良いか、ごーしんさんはご意見をお持ちでしょうか?
ごーしん:私も既に法人化して経営者をやっていますし、複数のキャッシュポイントを持つことは当然のようにやりますが、自分が独立したての時は元請けの1社しかなく、元請けさんに仕事を切られると収入がなくなってしまう状態でした。
これは正社員の方がリスクが高いと思っていて、副業すらやらせてもらえなかったり、2社に就職する方はなかなかいないじゃないですか。ですから、やはり複数の副業だったり、脱サラするのであれば自分で元請け先をたくさん確保するとか、依存先を分散するイメージですね。リスクを分散した方が良いのではないかと思います。
平野:トラックドライバーが正社員で働きながら、夜にデリバリーのお弁当宅配とか。そのような副業は現実的にできそうなものですか?
ごーしん:例えばUber Eatsとかはできます。深夜0時前後でも稼働している人はいます。ただ、そもそも大型ドライバーで残業ありきで生活されている方は非常に疲れが溜まっていると思うので、やれないことはないけど相当きついと思います。
平野:事故のリスクもありますし、会社がそもそも認めていないケースも多いですかね。そうすると正社員で続けるか、もしくは給料が下がっても続けるか。給料を上げられる会社は凄く良いと思いますが少数派かもしれません。そうするとフリーランスのドライバーになっていくのが、ごーしんさんとしては1つの選択肢かもしれないという風に思われますか?
ごーしん:正社員をやりながら副業もやるというと、どっちつかずなイメージもあるかもしれないですが、その方が生存戦略としてはありかなと思います。
平野:トラックや運転が好きでドライバーを続けていきたい方については、そのような案も1つあるという感じですね。
平野:2024年問題は軽貨物の業界に対して、追い風になるのでしょうか?
ごーしん:私は追い風になると考えています。正社員の枠で配れない、仕事を受注できない、じゃあこの案件はやめようというように会社がどんどん縮小していくよりは、外注にガンガン流して軽貨物で仕事を取っていく、案件自体を確保していく(方にシフトする会社もある)という意味で、軽貨物が参入できる場所がたくさん増えてくるはずです。そのようなところに営業をかけられる法人の経営者がどれだけいるのか、個人でそのようなところに営業をどれだけかけられるのかというのが一つのポイントになると思っています。当然仕事の量が増えるので、軽貨物ドライバーにはチャンスだと感じています。
平野:ごーしんさんも結構営業をかけられていたのですか?
ごーしん:僕の場合は軽貨物なので本当に小規模です。コーヒー豆の配送など、地元に根ざした営業をかけたりしていました。あとは今自分で軽貨物の委託の業者をやっていますから、名前は出せないですけど法人契約をしている会社さんがいくつかあります。ただ、ごーしんというのがバレていますから、契約してくれないところがやはりあって。文句を言われると困る・・・。
平野:動画で言われたら困るみたいなことですかね。
ごーしん:なかなか体質が古い会社さんもたくさんあるので。ごーしんでなければ「もっとガンガン営業ができるのにな」と思います。
平野:営業できる先や困っている方がたくさんいそうだと。全然あるということですね。
ごーしん:軽貨物ドライバーさんは仕事をどうやって取るのか分からなくて不安な方が多いと思うんです。意外に蓋を開けてみたら、単純にヤマトさんだったらセンターに直接赴いて「軽貨物ドライバーを始めたんですけどコース空いてませんか?」と聞くだけで良いんです。それで空いていれば、「空いてるよ!入れるよ!やる?」なんて、こういうこともあるわけです。皆さんリラックスして仕事を取っていただきたいと考えています。自分自身の収入の稼げる先といいますか、キャッシュポイントを増やす練習にもなりますから。
平野:営業ができるフリーのドライバーさんはどのぐらいいるイメージですか?皆さんができているのか、全然できていないのか。
ごーしん:できる人は2割ぐらいですかね。
平野:凄くチャンスがあるかもしれないですね。
ごーしん:全然あります。
平野:2割の方しかやっていないのは、やはりなかなか大変だからですか?
ごーしん:声をかけづらい人が多いんだと思います。どこに行ったらいいのか分からない。大手に直接行けばいいのに、それこそ中小の委託会社さんを必死で探している人もいるし、それも1つの選択肢としては全然ありですけど、大元に営業をかけた方が早いですよね。
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平野:大型ドライバーが労働時間制限によって運べないものを、軽貨物ドライバーによって補うことはできるのでしょうか?
ごーしん:できるものとできないものがあると思っていて、BtoCなどのラストワンマイルへの中継を行う、例えば大型の幹線ドライバーの荷物のようなものならインターチェンジでスペースが確保できれば、そこで荷降ろしをして集荷をして明け渡しもできると思うんですよ。
平野:中継輸送みたいなイメージですかね。
ごーしん:そうですね。例えば、BtoBの荷物で危険物や燃料とか、そのようなものはやはり難しいですよね。どうしてもただの軽バンなので。「宅配では余地があるのかな」という感じです。
平野:大型トラックのところに軽貨物の方が集まって荷物を配っていくみたいなことはあり得そう、ということですか?
ごーしん:あり得そうだと思っています。それを仕組み化できれば凄く大きいビジネスになりそうな気がします。
平野:軽貨物ドライバーさんの中では2024年問題はそんなには話題になってないものでしょうか?
ごーしん:話題になってはいます。ただ現実的にどのぐらい問題になるかというのは、ほとんどの人が理解していないので。
平野:前の動画でも触れましたが、2024年問題の大きなところはBtoB輸送で、宅配の荷物は全体の1〜2%しかないという見解もあります。宅配にはそこまで影響しない可能性があるのかなと。
ごーしん:(軽貨物に関しては)BtoBのお仕事の中で今後2024年問題でできない部分を見つけられた人の勝ちですね。
平野:このチャンネルでは2024年問題、または物流DXに関する完全ガイドを無料で配布しております。概要欄(https://www.youtube.com/watch?v=-1dN5vPBYUc&t)からダウンロードをお願いします。
本日はごーしんさんにお越しいただきました。ごーしんさんありがとうございました。
ごーしん:ありがとうございました。
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